6月4日~10日の1週間は歯と口の健康週間です。歯科疾患の予防、早期発見、早期治療等を徹底して、歯の寿命を延ばし、健康を増進させましょうという週間です。
今回はその健康にちなみ、前回に引き続き、歯と病気の関係について触れてみたいと思います。
歯周病菌が心筋梗塞を招く!?
心筋梗塞について
心筋梗塞とは、心臓の筋肉細胞に酸素や栄養を供給している血管が詰まり、心臓の筋肉が壊死し、最悪の場合は命を失う恐ろしい病気です。長年の喫煙、高カロリーの食事などによる生活習慣により動脈が硬くなり、血液がうまく送り出せない動脈硬化が主な原因です。
心筋梗塞と歯周病菌の関係
ところが最近の研究で、歯周病菌が心筋梗塞の原因にもなることが明らかになりました。ではそのメカニズムを説明します。
まず歯磨き不足などで、歯周ポケットに歯周病菌がたまり始めます。その毒素で歯茎が壊され、歯周ポケットが深くなって出血し、口臭が発生し始めます。
ここまで歯周病が進行すると、歯周病菌の一部は血管の中に侵入してしまいます。血管に入った歯周病菌の大部分は白血球により退治されますが、一部は血小板に入り込みます。すると、血小板は異常を起こし、お互いに集まり固まりやすくなるのです。
つまり、
歯周病菌が入ることで、血小板は簡単に血栓を作ってしまうのです!
こうして歯周病を放置すると、歯周病菌が入り込んだ血小板が体内で増加し、全身の血管をめぐって心臓に流れ着きます。そして、動脈硬化が起こっていた場所に血栓が次々と付着して血管を完全にふさぎ、心筋梗塞を引き起こしてしまうのです!
このように、場合によっては心筋梗塞も引き起こすのが歯周病です。早期発見、早期治療の為にも、特にお痛みなどの自覚症状がなくても、大体3か月を目安に歯科検診を受診されることをお勧めします。
出典:「歯のトラブルは万病の元」監修大原盛勝 北原文子 (株)大日本印刷