最近は、心臓病やがん患者さんに術前、術後と歯のクリーニングをする病院もあるそうです。その理由は、お口の中の細菌を減らしておいた方が術後の予後が良いからだそうです。
実際、以前にもこのデンタルニュースでも心臓病や糖尿病とお口の中の細菌の関係を取り上げたことがありますが、せっかくなので今回は、お口の中の環境と口腔がんとの関連について触れてみたいと思います。
日本では、保険制度の関係からまだまだ歯の定期検診が根付いていないのが現状です。そこへよくある歯医者嫌いも加わって、死ぬほど痛い虫歯じゃないから歯医者なんか行かない!なんて人も残念ながらめずらしくありません。
また「歯ぐきが腫れた」「歯ぐきから血が出た」「口臭がする」などの歯周病の症状も、我慢できない訳でもなく、意外と放置してませんか?
ところが侮ることなかれ。 お口の中の環境が悪いと口腔がんにもなりやすいってご存知ですか?
基本的に人間の身体は、外から刺激があっても、修復、再生、増殖を繰り返します。ところがこの刺激がずっと続く場合、この修復、再生、増殖がうまくできなくなって癌になってしまいます。具体的には傷、ウイルスや菌の感染、慢性炎症などがこの刺激にあたります。
では、お口の中の刺激にはどんなものがあるでしょうか? 虫歯も歯周病も原因は虫歯菌や歯周病菌によるものです。また、歯周病は歯ぐきや歯を支える組織の炎症による病気ですから、虫歯や歯周病を放置している→慢性的にお口の中に刺激がある→口腔がんになりやすいということになります。
口腔がんはお口周りの歯以外の場所に出来る癌です。まれに骨に出来ることもありますが、ほとんどは粘膜(唇、ほほ、あご、歯ぐき、舌など)に出来ます。初期症状はほとんどなく、自覚症状が出てからの治療になると、あごの骨を大幅に切り取って顔の形が変わってしまったり、舌をざっくり切り取ってしまったり、という大手術になることも多いのです。こうなると命は助かっても、術後の生活はなかなか大変で、自殺率No.1の癌というのもうなずけます。
一口に癌と言っても色んな種類の癌があり、治療も様々です。どんなに癌は治る病気になったと言われても、まだまだ治療の副作用や後遺症と戦ってらっしゃる患者さんが多いのも事実です。そのつらさを間近で見ているからこそ、「早期発見、早期治療」の必要性を声を大にして言いたいと思います。
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