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葉山歯科

デンタルニュース 12月号

今年も気が付くと12月!歳のせいか(?)1年が早いですね。コロナもまだくすぶってますが、少しずつ皆さん普通の生活に戻りつつある所でしょうか。


さてそんな中、手術や癌治療予定の患者さんから「手術(癌治療)前にお口をキレイにして欲しい」というリクエストが続いたので、なぜ手術や癌治療前にお口をキレイにしておいた方がいいのか、身体とお口の関係について触れてみたいと思います!


口腔管理について

口腔管理というとなんだか難しく聞こえますが、要はお口の中を良い状態に保つことです。まぁ普通に考えれば、身体もお口も良い状態に越したことはないのですが、もうちょっと具体的に言うと、『むし歯などの処置がきちんとされていて、詰め物や入れ歯などがきちんと使えている状態(口腔機能管理)』で、さらに『痛みや腫れなど炎症がなく、お口の中の細菌数がコントロール出来ている状態(口腔衛生管理)』というのが歯医者さん的に良い状態です。


むし歯も歯周病も細菌感染によるお口の病気です。つまり、口腔管理がきちんとされていないとお口の中に悪さをする細菌がウジョウジョいる状態となっていて、その細菌に感染、つまりお口の中の色んな所に炎症が起きている状態になっているということになります。


身体と細菌の関係

例えば中等度の歯周病(歯周ポケット5mm、28本歯があると仮定)の患者さんの場合、お口の中に手のひらサイズの炎症があると言われます。つまり、その手のひら面積から歯周病菌や、炎症毒素が一斉に身体に入り、血液を通して全身に回っている状態と考えられます。


大量の炎症毒素が身体に入ってくると、当然身体は一生懸命その毒素と戦ってくれます。健康な時ならいざ知らず、手術をして傷を治さなくてはいけない時や、抗がん剤の攻撃で細胞が弱っている時に、お口から入ってくる毒素と戦う力が果たしてどの位残っているのか。。。


「手術や抗がん剤と口は全然関係ない場所じゃない?」と思いがちですが、こうやって考えると、手術や癌治療前にお口をなるべく良い状態にしておくことが、如何に重要な準備かが分かると思います。また、歯周病菌は脳梗塞、心筋梗塞、誤嚥性肺炎、ウイルス性疾患、糖尿病、関節リウマチなど様々な病気と深く関係があることも知られており、手術前にお口のケアをしている方の場合、してない方と比べて術後の感染症のリスクが減り、平均入院日数が短くなるというデータもあるのです。


このような理由で病院側でも治療前に歯科医院へ受診を薦めるケースが増えています。しかし、手術や癌治療までの限られた時間内にどの程度お口を良い状態に出来るかは、普段からきちんとお口のお手入れをされている方とそうでない方で差がつくことは想像に難くないと思います。様々な全身疾患の予防の観点からも、普段のお口のお手入れをぜひ欠かさないで頂ければというお話で、今年のニュースを締めくくりたいと思います。


今年もまた1年、ご愛読ありがとうございました!

皆様、よいお年を。そして来年もますますきれいなお口を目指して★✧˖.˖★ .✧˖°



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