今年は夏が長かったので、「やっと秋かな?」と思ったら、気が付くともう12月!早いですねぇ~。それとも時の流れが早いのは歳のせいか?(笑)
何はともあれ、今年も無事1年が終わりそうなことに感謝して今年最後のデンタルニュースです!
先月はがん検診のお話だったので、今月は久しぶりに口腔がんについて。
口腔がんとは?
口腔がんとは、お口の中の主に粘膜(歯以外のやわらかい組織)に出来る癌の総称です。
日本人に一番多いと言われるのが舌に出来る舌がんで、その他に歯肉がん、口腔底がん、口唇がんなど癌が出来る場所によってそれぞれ部位ごとの名前がついています。
初期の口腔がんは自覚症状がないことが多く、大抵は知らない間に進行していきます。
「あれ、おかしいな?」と気になり始めるケースで一番多いのが、口内炎のようなものが出来てから。いわゆる潰瘍ですが、その色が赤や白なので、口腔がんのリボン(乳がん=ピンクリボンの口腔がん版)の色は赤と白になっています。
進行してくると、ただれや腫れ、コリコリしたしこりが出来たり、初期の段階では感じなかった痛みやしびれを感じるようになります。同時にお口を開けにくくなったり、話したり、飲み込んだりが難しくなっていきます。
口腔がんのリスク因子
お口の中の刺激が口腔がんにかかるリスクを上げると言われています。
喫煙: タバコの煙に発がん物質が多く含まれていることは良く知られています。喫煙は身体の免疫機能を低下させたり、慢性炎症を引き起こしたりすることから様々な癌のリスクが上がります。さらにタバコの熱(低温火傷)も口腔がんのリスクをあげる刺激と考えます。
食生活: アルコールの摂取も、身体の免疫機能を低下させたり、慢性炎症を引き起こしたりすることから様々な癌のリスクが上がります。またアルコールは刺激物です。その他、酸っぱいもの、辛いもの、熱いものも刺激物と考えます。また固いものは、お口の中に傷を作りやすいことから同じく口腔がんのリスクをあげる刺激です。
口内環境: 義歯があっていない、詰め物が外れかかっている、歯が欠けたまま、などの状態を放置すると傷を作りやすいことから刺激と考えます。むし歯や歯周病も細菌感染によることから、治療をしていない状態→細菌が増える→刺激があがると考えます。
その他、栄養不足、遺伝的要因、病気(ドライマウスや薬の副作用など)なども口腔がんのリスク因子とされています。つまり子供(症例は9歳~)でも口腔がんになってしまう病気なのです。
全てのリスク因子を排除した生活は無理でも、禁煙する、アルコールの過剰摂取を控える、歯科医院の定期検診を受ける、などリスクをさげることは出来ます。
リスクが高い方、遺伝などで気になる方、口内炎などができやすい方は、定期的に
口腔がん検診を受診されることをお勧めします!
では皆様、良いお年を~~~
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