昨年は、健康の有り難さを実感した年となったのではないでしょうか。
まだ予断を許さない状態が続くようですが、お口を通じて、皆様が健康に過ごせるようなニュースをご提供出来れば幸いです。
では今年も宜しくお願い致します。
新年初のニュースは、当院でも患者さんに時々発症される方がいらっしゃる口腔カンジタ症についてご紹介したいと思います。
お口の病気には、むし歯や歯周病だけでなく、口腔粘膜疾患といってお口の中の軟らかい組織(粘膜)にできる病気があります。その一つに、真菌(しんきん、つまりカビ)によって引き起こされる病気が『口腔カンジタ症』です。
口腔カンジタ症とは?
カンジタと呼ばれるカビによる感染症は、体の色んな部位に発症することから、名前だけはご存知の方も多いのではないでしょうか。カンジタは、口の中だけでなく体中の色んな所に、常日頃からから住んでいます。いわゆる常在菌と呼ばれるもので、他の菌と仲良く共存しています。ところが、何らかの理由で他の菌とのバランスが取れなくなると、カンジタが急に繁殖してしまい、感染してしまうとカンジタ症になってしまいます。
口腔カンジダ症の場合、投薬、糖尿病、免疫力の低下、唾液の減少、などの理由で常在菌同士のバランスが崩れて発症します。
症状
灰白色や乳白色の白い苔が粘膜表面についたり(写真参考)、赤い斑点がでたり、粘膜自体が赤くただれたり(びらん)します。舌表面の粘膜のヒダが委縮することにより、ヒリヒリとした痛みがでたり、味覚障害を伴うこともあります。
治療方法
菌のバランスを整えるためのクリーニング、うがい薬、塗り薬、場合によっては抗真菌薬の内服を必要とすることもあります。
簡単な培養検査(お口の粘膜を拭って菌を培養)で診断できます。粘膜異常は、場合によっては口腔がんや、前がん病変(癌になる前の段階)の可能性もあります。少しでも「おかしいな?」と思うことがあれば、放置せずにすぐかかりつけの歯科医院を受診しましょう!
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