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葉山歯科

デンタルニュース 6月号

ジメジメする日が始まりました。そろそろ梅雨に突入でしょうか。

今年はすごく早く桜が咲いたり、梅雨みたいで梅雨じゃなかったりなんだかよく分からない天候が続いていますね。


さて、先月はむし歯の話でしたので、今月は歯周病の話にしてみました。今回は糖尿病との関連を掘り下げてみました!


糖尿病について

糖尿病は、食事でとったエネルギー(糖分)を細胞に取り込む時に必要なインスリンというホルモンの作用が低下することで、血液中の糖分がそのまま残り(高血糖)、最終的に尿に糖が排泄される病気です。


糖尿病の90%は『生活習慣病』と言われるII型糖尿病と言われています。その要因の1つは、インスリンの働きが阻害されてうまく作用しない「インスリン抵抗性」とされています。


歯周病と糖尿病の関係

歯周病は、歯周病菌に感染することで、歯ぐきやその周りの組織(歯周組織)に炎症が起きる病気です。この細菌は強力な毒素を作り出し、その毒素は体に取り込まれます。すると、体は毒素から自分の身を守る物質を作り出します。この体を守る物質こそが、インスリン抵抗性、つまりインスリンの働きを弱めてしまい糖尿病を悪化させてしまう原因なのです!


ちなみに、歯周病菌と体が接する面積はちょうど掌サイズと言われています。それだけ広い面積から細菌が一斉に体内に入り、その大量の細菌と戦う物質(インスリン抵抗性)がどんどん出来るのです。歯周病になると、糖尿病の血糖コントロールが如何に難しいか容易に想像できると思います。


同時に糖尿病は歯周病も悪化させることが知られています。例えば、高血糖が続くと血管が傷ついたりして血流が悪くなります。歯周組織には血管がたくさん集まっていますが、ここの血流が悪くなると、歯と歯ぐきの隙間(歯周ポケット)がどんどん深くなり細菌がさらに溜まりやすくなります。つまり細菌感染による炎症、歯周病の症状を悪化させるのです。さらに、糖尿病の合併症で免疫力がさがると、歯周病菌がますます増えやすくなります。


このように歯周病により糖尿病が悪化し、糖尿病によっても歯周病が悪化するのです!


当院の患者さんの症例

十数年ぶりに来院された患者さんですが、その時点で重度の歯周病(歯周ポケット4~6ミリ、出血24本、動揺14本)でした。最近では中程度(ポケット3~4ミリ、出血4本、動揺9本)まで歯周病の症状が改善しました。

先日、「糖尿病の数値がすごく良くなって担当の先生に驚かれたんです!」と嬉しそう

にご報告頂き、私たち全員でそのニュースに喜びました。


この患者さんのように、歯周病の治療後、血糖コントロールが改善することもあります。

気になる方はぜひ治療中や受付にてご相談ください!



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