7月に入って梅雨本番の雨ですね。湿気が多く、診療室のエアコンを『ドライ』にするか、『冷房』にするか迷う時期でもあります。。。
さて最近びっくりしたのが、歯のクリーニングに使う医療器具が通販で売られていて、誰でも買えるようになっているようなのです。さすがに気になるので、今回は歯のクリーニングについて触れてみたいと思います!
歯のクリーニングとは?
いわゆるプラーク(歯垢)や歯石と呼ばれる歯の表面についた汚れは細菌の塊です。放置しておくと細菌感染してむし歯になったり、歯ぐきの炎症を起こして歯周病になってしまいます。そこで日本では、健康保険を使って歯のクリーニングをすることができるのです。
一口に歯のクリーニングと侮ることなかれ!
歯周病治療の一環として、厳格な保険のルールに沿って歯ぐきを基準にしてそれより上、または下、と歯を分割したり、上の歯だけ、下の歯だけ、上の前歯だけ、など治療によってセクションを分けてクリーニングしていきます。
歯の形はそれぞれ違い、汚れの付き方や炎症の起き方も人によってそれぞれです。長年にわたって出来た歯石を一気に全部取ると知覚過敏の原因になったり、菌を押し込むようにクリーニングして菌血症、敗血症になったり、とさまざまな問題も起こります。それらを症例ごとにきちんと判断しながらクリーニングしているのです。
その際、通販で売っているようなスケーラーと呼ばれる写真のような器具などを使うのですが、見た目どれも一緒のようで、実は先端が鎌のような形だったり、尖ったスプーンような形だったり、やすりのような形だったり、と様々なタイプがあります。さらにその形ごと約14サイズのスケーラーがあり、それぞれどこの歯のどの部分に使うか、それはそれは細かく決まっています。
加えてスケーラーの器械版があります。器械から超音波を発生させてクリーニングをしていきますので、手でクリーニングするより早く汚れを取ったり、手では届かない部分に使ったりできます。大まかな汚れを器械で取ってから、細かい部分を手作業でやったり、など細かい使い分けはやはり技術になりますので、術者によって変わっていきます。
さらに当院では、汚れを取った後に歯をつるつるに磨いています。いわゆるPMTCと呼ばれる施術で、歯をきれいに磨き上げることで汚れをきちんと除去するだけでなく、歯の表面の凸凹を減らすことで汚れが付きにくくなり、むし歯や歯周病の予防になるのです。
スケーラーを家で使って自分で歯のクリーニングするのってどうなの???
と、ここまで読んで頂ければ答えは予想できますよね?(笑)
むやみやたらに歯をいじる行為は、歯を傷つけたり、知覚過敏や、その他の病気の原因
にもなりえます。通販で買えるような器具は、プロ用スケーラーとは似て非なるもの、
おもちゃみたいで、プロの目からすると『百害あって一利なし』といった所でしょうか。
ということで、歯の汚れが気になる時は迷わず葉山歯科までお電話くださいね~♪
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